派遣社員の休憩室

派遣元の営業担当に相談しても進まないとき、次に頼れる 5 つ(派遣法)

公開 ・ 派遣社員の休憩室 編集部

派遣元の営業担当についての相談 184 件で、多く聞かれている順
  1. 1気持ちをどう整理するか
  2. 2これは普通のことなのか
  3. 3決まりのうえで、どうなのかこの記事の話

当サイトが 189 日分の相談を数えた順位です。公開の下限に届いた上の 3 つだけを載せました。件数はこのサイトの数え方で補正した値で、並びの件数そのものは出していません。

この記事は、派遣元の営業担当に職場の困りごとを伝えたのに話が進まない、連絡が来ない、そもそもどう伝えればいいか分からない、という人に向けたものです。先に結論を書きます。営業担当のほかにも、苦情の処理に当たる人は派遣法で決まっています(派遣元責任者と派遣先責任者)。その名前が書かれた書面、派遣元責任者、派遣先の窓口、それに労働局の 2 つの相談窓口。営業担当で止まっても、この 5 つを順に頼っていけます。 数字は当サイトが 189 日分の相談を数えたものと、法律と厚生労働省の指針の原文。2026 年 9 月時点の内容で、出典は末尾に置きました。

営業担当とのことは 184 件で、相談の話題の中でいちばん多い

当サイトの集計で、派遣元の営業担当についての相談は 184 件でした。数えた話題の中でいちばん多い件数です。 ここでいう営業担当は、派遣で働く人が「派遣元の営業」「担当」と呼ぶ、派遣会社の側の窓口の人のこと。コーディネーターと呼ぶ会社もあります。

多く聞かれている順では、「気持ちをどう整理するか」「これは普通のことなのか」が上に来ます。この 2 つは、ほかの多くの話題でも上位に来る型です。 営業担当の相談で目を引くのは、3 番目に「決まりのうえで、どうなのか」が入ること。営業担当とのやりとりで、決まりのうえではどうなっているのかを知りたい人がいる、ということです。この記事は、その答えを法律と指針の原文に置きました。

数字の読み方に断りがあります。集めた 4 つのコミュニティのうち 2 つは事務の派遣の人が集まる場で、事務の相談が多めです。雑談の返信でのアドバイスも拾うので、そのぶんは割合で補正しています。数え方はこのサイトの数え方に書きました。

5 つの話題で、いちばん一緒に出てくるのが営業担当のこと

営業担当の相談の中には、ほかの話題が一緒に出てくるものがあります。多い順に並べると、1 番目が「辞めたいとき」、2 番目が「契約の更新」でした。 3 番目は「契約の終了・満了」と「職場見学(顔合わせ)」が同じ件数で並びます。

営業担当の相談と、同じ相談の中で一緒に出てくる話題
  1. 1辞めたいとき
  2. 2契約の更新
  3. 3契約の終了・満了
  4. 3職場見学(顔合わせ)

同じ相談の中にほかの話題も出てくるものを数えた順位です。同じ番号は同じ件数です。組み合わせの件数は補正前なので出していません。

逆の向きから数えても、営業担当の話は上に来ます。「辞めたいとき」「契約の更新」「契約の終了・満了」「職場見学(顔合わせ)」「時給と交通費」の 5 つの話題では、一緒に出てくる話題の 1 番目が営業担当のことでした。 辞めたいと伝えたい、更新するかを聞きたい、職場見学の結果を知りたい。どれも、派遣元の営業担当を通して話すことになりやすい場面です。だから、営業担当で止まると、全部が止まったように感じます。進まないときの道筋を、次の節から派遣法の条文で確かめます。

派遣法 36 条・40 条・41 条が決めている、苦情を受ける人

労働者派遣法(派遣法)に「営業担当」という言葉は出てきません。法律が名前を挙げているのは、派遣会社の側の派遣元責任者と、働いている職場の側の派遣先責任者です。 営業担当が派遣元責任者を兼ねている会社もあります。誰が責任者かは、派遣の前に渡される就業の条件の書面で確かめられます(次の節)。

  • 派遣元責任者(36 条)。派遣会社が選ぶ人で、派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に当たる。派遣先との連絡調整もする。施行規則 29 条で、事業所ごとに専属の人を、自社で雇っている人(または役員)から選ぶ。派遣労働者 100 人以下の事業所なら 1 人以上
  • 派遣先の苦情の処理(40 条 1 項)。派遣先は、派遣労働者から苦情の申出を受けたら、その内容を派遣元に知らせ、派遣元と密接に連携して、誠意をもって、遅れずに処理を図る
  • 派遣先責任者(41 条)。派遣先が選ぶ人で、派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に当たり、派遣元との連絡調整をする。施行規則 34 条で、派遣労働者と派遣先の社員を合わせて 5 人を超えない職場では、置かなくてよいとされています

厚生労働省の指針も、両方の側に同じことを求めています。苦情の申出を受ける人、処理のしかた、派遣元と派遣先の連携の体制を派遣契約で決めること。苦情を受けた日、内容、処理の状況を、そのつど台帳に書くこと。 そして、苦情を申し出たことを理由に、不利益な取扱いをしてはならないこと。派遣先の指針は、受け入れるときに説明会などでこの中身を派遣労働者に説明するよう求めています。

営業担当で進まないとき、次に頼れる 5 つ

上から順に当たってみてください。1 つ目で名前が分かれば、2 つ目と 3 つ目にすぐ進めます。困りごとの中身によっては、4 つ目や 5 つ目から始めてもかまいません。

1. 就業の条件を書いた書面(就業条件明示書)で、苦情の処理と責任者の欄に誰の名前があるか

派遣法 34 条は、派遣をしようとするとき、あらかじめ就業の条件を派遣労働者に明示するよう派遣元に求めています。明示する事項には、26 条 1 項の「苦情の処理に関する事項」と、施行規則 22 条の「派遣元責任者及び派遣先責任者に関する事項」が含まれます。 明示は書面か、本人が希望すればファクシミリや電子メール等です(施行規則 26 条)。 この書面は、厚生労働省のひな形の名前から「就業条件明示書」と呼ばれます。ひな形の「苦情の処理・申出先」欄に、派遣元と派遣先の担当者の名前と電話番号があります。責任者の欄とあわせて探してください。メールで受け取った人は、受信した記録にあるかもしれません。

2. 派遣元責任者に、同じことを伝えられるか

営業担当から返事が来ないときは、派遣元責任者に同じ内容を伝えてみてください。36 条で苦情の処理に当たる役目の人です。 営業担当と責任者が同じ人なら、派遣会社の相談窓口や、事業所の代表の番号に問い合わせてみるのも手です。伝えるときは、営業担当にいつ何を伝えたかも一緒に話すと、話が早く進みます。

3. 派遣先の苦情の窓口(派遣先責任者)に話せるか

職場で起きている困りごとなら、派遣先に直接申し出てもかまいません。40 条 1 項により、苦情を受けた派遣先は派遣元に知らせ、連携して処理を図る決まりです。 派遣先の指針が挙げる、派遣先が処理を図るべき苦情には、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントなども含まれる。 窓口の人は、1 つ目と同じ書面の、苦情の処理について書かれた欄や派遣先責任者の欄に書かれているはずです。小さな職場では、派遣先責任者がいないことも。

4. 派遣の決まりそのものを、都道府県労働局に聞けるか

厚生労働省の案内では、労働者派遣法に関する相談は都道府県労働局(職業安定部の需給調整事業課・室)が受けています。平日 8:30〜17:15。 就業条件明示書をもらえていない、責任者が分からない、というように派遣の決まりに関わることは、ここで聞けます。 派遣法 49 条の 3 は、派遣元や派遣先に派遣法の違反があるとき、派遣労働者はその事実を厚生労働大臣に申告できるとし、申告を理由とする不利益な取扱いを禁じています。

5. 総合労働相談コーナーに、職場のことを相談できるか

いじめや嫌がらせ、パワハラ、雇止めなど、職場のトラブル全般を聞いてくれるのが総合労働相談コーナーです。派遣法ではなく、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に基づく窓口です。各都道府県労働局と、全国の労働基準監督署の中などに 378 か所あります。 専門の相談員が面談か電話で対応し、予約は要らず、無料。土日祝と年末年始は閉まっています。 相談のほか、「助言・指導」や「あっせん」の案内もあり、労働基準法などに違反する疑いがあれば、労働基準監督署などの担当に取り次ぐとされています。自分の場合が決まりのうえでどうなのかは、ここで聞いてください。

確かめた結果で、次にすること

当てはまる行を見る。1 つの行で片づかなければ、下の行へ進んで大丈夫です。

確かめた結果次にすること
就業条件明示書に、苦情の処理の欄と責任者の名前がある派遣元責任者か、派遣先の苦情の窓口に、営業担当に伝えたことと同じ内容を伝える
就業条件明示書が見つからない、苦情の処理の欄が見当たらない派遣元にもう一度送ってもらう。それでも出てこなければ、都道府県労働局の派遣の窓口に聞く
職場で起きていること(人間関係、ハラスメント、契約と違う仕事)派遣先の苦情の窓口にも話す。派遣先は派遣元に知らせて、連携して処理を図る
責任者に伝えても変わらない総合労働相談コーナーに、書き留めた記録を持って相談する
辞める・更新しないと決めていて、伝え方だけ迷っている営業担当に、いつまでに返事がほしいかを添えて伝える。つながらなければ派遣元責任者へ

伝える前に、日付と中身を書き留めておく

どの窓口に話すときも、手元に記録があると話が進みやすくなります。書いておくのは、いつ何があったか、誰に何を伝えたか、どんな返事だったか、自分はどうしてほしいか、の 4 つ。 メールやチャットで伝えたなら、そのまま残しておけば記録になります。

「相談」なのか「対応してほしい困りごと」なのかも、言葉にして伝えてください。厚生労働省の指針は、苦情の申出を受けたら台帳に書くよう派遣元・派遣先の両方に求めています。困りごととして受け止めてほしいなら、そう伝えていい。返事が遅いのには、派遣先と話を詰めている途中のこともあります。いつまでに返事がほしいかを添えて、もう一度確かめてみてください。

更新して続ける人も、次を探す人もいる

困りごとが片づいて、同じ職場で更新して続ける人もいます。営業担当とのやりとりをきっかけに、次の派遣を探す人も、別の働き方を考える人もいます。どれを選んでも大丈夫。働き方を変えるなら、紹介予定派遣や無期雇用派遣という道もあります。

一緒に相談されることの多い話は、辞めたいときの話題、契約の更新の話題、契約の終了・満了の話題、職場見学の話題にまとめています。 営業担当の相談の並びは派遣元の営業担当の話題、ほかの派遣会社も見てみたいときは派遣会社の選び方と登録の話題、派遣のままでいるか迷うときは正社員か派遣かの話題に置いています。

よくある質問

営業担当を飛ばして派遣元責任者に話すと、気まずくなりませんか
派遣元責任者は、派遣法 36 条で、派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に当たる役目として置かれている人です。法律が置いている相談の道筋の 1 つです。派遣元の指針は、苦情の申出を理由に不利益な取扱いをしてはならないとしています。気まずさが心配なら、営業担当に「返事がないので、責任者の方にも相談します」と一言伝えてからでも大丈夫です。
派遣先の社員や上司に直接相談してもいいですか
派遣法 40 条 1 項は、派遣先が派遣労働者から苦情の申出を受けたときに、派遣元へ知らせ、連携して、誠意をもって遅れずに処理を図るよう求めています。派遣先の指針は、派遣先が処理を図るべき苦情にセクシュアルハラスメントやパワーハラスメントなどが含まれるとしています。窓口になる人は、就業条件明示書の苦情の処理の欄や派遣先責任者の欄に書かれているはずなので、まずそこを見てください。
就業条件明示書が見当たりません
派遣法 34 条は、派遣をしようとするときに、あらかじめ就業の条件を派遣労働者に明示するよう派遣元に求めています。施行規則 26 条で、明示の方法は書面の交付か、本人が希望したときはファクシミリや電子メール等です。メールで受け取っていることもあるので、受信した記録も探してみてください。見つからなければ、派遣元にもう一度送ってもらえるか聞いてみてください。
労働局に相談したことは、派遣会社に伝わりますか
総合労働相談コーナーは、相談した人のプライバシーの保護に配慮して対応するとしています。相談だけなら、会社に伝えるかどうかは窓口で確かめられます。「助言・指導」や「あっせん」を使うときは、会社の側にも話がいきます。派遣法の違反を申告すること(49 条の 3)は、相談とは別の手続きです。申告を理由とする解雇その他の不利益な取扱いは禁じられています。
この件数と順位はどこまで確かですか
件数は補正後の値です。話題ごとに無作為で 30 件を抜き、「投稿した人が自分のこととして、その話題を書いた相談か」を 1 件ずつ判定して、その割合で直しました。営業担当の話題で当たっていた割合は約 57% です。判定は AI で 2 系統に分けて突き合わせ、一致した件だけを使いました。人の目では確かめていません。順位の元になる件数は補正していないので、差が小さい順位は入れ替わりうるものとして読んでください。

出典・確認日

  • 厚生労働省「モデル就業条件明示書」(様式と記載要領)(原文の要点(2026-09-28 確認): 様式に「苦情の処理・申出先」欄があり、申出先として派遣元・派遣先それぞれの職名・氏名・電話番号を書く形。記載要領 11 は、この欄に労働者派遣契約に定めた苦情の申出先、苦情の処理方法、派遣元事業主と派遣先の連携体制等を具体的に記載するとする。派遣元責任者・派遣先責任者の欄もある。法令の語ではなく、厚労省のひな形の欄の名前)
  • e-Gov 法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(昭和六十年法律第八十八号)(原文の要点(2026-09-28 確認。令和 8 年 4 月 1 日施行の版): 26 条 1 項(派遣契約で定める事項。7 号に苦情の処理に関する事項)、34 条 1 項(派遣をしようとするとき、あらかじめ 26 条 1 項各号の事項などを派遣労働者に明示)、36 条(派遣元責任者を選任。3 号に派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に当たること、7 号に派遣先との連絡調整)、40 条 1 項(派遣先は苦情の申出を受けたら派遣元に通知し、密接な連携の下に、誠意をもって遅滞なく処理を図る)、41 条(派遣先責任者を選任。3 号に苦情の処理、5 号に派遣元との連絡調整)、49 条の 3(違反の事実を厚生労働大臣に申告できる。申告を理由とする不利益な取扱いの禁止)、52 条(公共職業安定所は派遣就業に関する相談に応じる))
  • e-Gov 法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則」(昭和六十一年労働省令第二十号)(原文の要点(2026-09-28 確認。令和 7 年 1 月 1 日施行の版): 22 条 2 号(派遣契約で定める事項に、派遣元責任者及び派遣先責任者に関する事項)、26 条(就業条件の明示は書面の交付。本人が希望すればファクシミリ・電子メール等)、29 条(派遣元責任者は事業所ごとに専属で、自社の労働者から選ぶ。派遣労働者 100 人以下なら 1 人以上)、34 条(派遣先責任者も事業所等ごとに専属。派遣労働者と派遣先が雇う労働者を合わせて 5 人を超えないときは選任を要しない))
  • 厚生労働省「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」(平成 11 年労働省告示第 137 号、最終改正 令和 4 年厚生労働省告示第 92 号)PDF(原文の要点(2026-09-28 確認): 第 2 の 3「適切な苦情の処理」(苦情の申出を受ける者、派遣元での処理の方法、派遣先との連携の体制等を派遣契約で定める。派遣元管理台帳に申出の年月日・内容・処理状況を記載する。苦情の申出を理由とする不利益な取扱いの禁止)、第 2 の 5(派遣先を定期的に巡回するなどして、就業の状況が派遣契約の定めに反していないかを確認する))
  • 厚生労働省「派遣先が講ずべき措置に関する指針」(平成 11 年労働省告示第 138 号、最終改正 令和 2 年厚生労働省告示第 346 号)PDF(原文の要点(2026-09-28 確認): 第 2 の 7「適切な苦情の処理」(派遣先が処理を図るべき苦情にセクシュアルハラスメント・パワーハラスメント等が含まれる。苦情の申出を受ける者・処理の方法・派遣元との連携の体制等を派遣契約で定め、受入れの際に説明会等で派遣労働者に説明する。派遣先管理台帳に記載し、内容を派遣元に通知する。苦情の申出を理由とする不利益な取扱いの禁止))
  • 厚生労働省「ご相談窓口(労働者派遣事業・職業紹介事業)」(原文の要点(2026-09-28 確認): 労働者派遣法・職業安定法に関する相談は都道府県労働局に問い合わせる(職業安定部の需給調整事業課・室。平日 8:30〜17:15)。ハローワークは派遣を含む職業相談・仕事のあっせんを行う)
  • 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」(原文の要点(2026-09-28 確認): 解雇・雇止め・いじめ・嫌がらせ・パワハラなど、あらゆる分野の労働問題が対象。専門の相談員が面談か電話で対応、予約不要・無料。土日祝・年末年始は閉庁。個別労働関係紛争解決促進法に基づく「助言・指導」「あっせん」を案内し、労働基準法等の違反の疑いがあれば労働基準監督署等に取り次ぐ。各都道府県労働局・全国の労働基準監督署内など 378 か所)
  • e-Gov 法令検索「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」(平成十三年法律第百十二号)(原文の要点(2026-09-28 確認。令和 7 年 6 月 1 日施行の版): 4 条 1 項(都道府県労働局長は、紛争の当事者の双方又は一方から解決の援助を求められたとき、当該紛争の当事者に対し必要な助言又は指導をすることができる)、5 条 1 項(紛争当事者の双方又は一方からあっせんの申請があった場合、必要と認めるときは紛争調整委員会にあっせんを行わせる))
  • このサイトの数え方(集計方法と限界)(当サイトの集計。母集団の定義、補正の方法、この方法で分かっていないこと)