派遣社員の休憩室

派遣の職場見学(顔合わせ)の前に知っておきたい 5 つ。面接との違い

公開 ・ 派遣社員の休憩室 編集部

職場見学(顔合わせ)の相談 101 件で、一緒に相談されることが多い話題
  1. 1派遣元の営業担当とのこといちばん多い
  2. 2エントリーと社内選考
  3. 3派遣会社の選び方と登録

当サイトが 189 日分の相談を数えた順位です。同じ相談の中にほかの話題も出てくるものを数えました。同じ件数なら同じ番号にしています。組み合わせの件数は補正していないので出していません。数え方はこのサイトの数え方に書きました。

この記事は、次の派遣先の職場見学(顔合わせ)を控えている人と、見学のあとで断られて理由が分からない人に向けたものです。先に結論を書きます。派遣では、派遣先が面接などで人を選ぶことを、派遣法は「しないように努めなければならない」とし、厚生労働省の指針は「行わないこと」としています。紹介予定派遣は別です。 そのうえで、見学は自分が職場を確かめる場として使えます。聞かれたくないことを聞かれたら、伝える先は派遣元の営業担当です。 数字は当サイトが 189 日分の相談を数えたものと、法律の原文と厚生労働省の資料。2026 年 9 月時点の内容で、出典は末尾に置きました。

職場見学の相談 101 件。一緒に出てくる話題の 1 位は派遣元の営業担当とのこと

当サイトの集計で、職場見学(顔合わせ)についての相談は 101 件でした。同じ相談の中で一緒に出てくる話題は、1 位が「派遣元の営業担当とのこと」、2 位が「エントリーと社内選考」、3 位が「派遣会社の選び方と登録」です。見学の相談には、営業担当とのやりとりが一緒に書かれていることがいちばん多い。見学の日取りも、見学のあとの返事も、営業担当から届くことが多いからかもしれません。

悩みの型では、「これは普通のことなのか」がいちばん多く、「気持ちをどう整理するか」が続きます。当サイトが順位を出す件数に届いたのは、この 2 つです。ほかの型は件数が届かず、出していません。この 2 つは多くの話題で上位に入る型です。 数字の読み方に断りがあります。4 つのコミュニティのうち 2 つは、事務の派遣で働く人のコミュニティで、事務の相談が多く入っています。雑談の返信での助言も拾うので、判定した割合で件数を補正しました。数え方はこのサイトの数え方にあります。ここから先の 5 つは、派遣法と厚生労働省の指針の原文をもとに書きました。

1. 派遣先が人を選ぶことは、派遣法と 2 つの指針で止められている

労働者派遣法 26 条 6 項は、派遣を受けようとする側(派遣先になる会社など)に向けた規定です。紹介予定派遣を除き、派遣契約を結ぶときに「派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない」と書いています。 条文の言い方は「してはならない」ではなく「努めなければならない」。法律の条文そのものは、努力を求める形です。

中身をはっきり書いているのは、厚生労働省の 2 つの指針です。

  • 派遣先の指針(第二の三)。派遣先は、紹介予定派遣の場合を除き、派遣に先立って面接すること、履歴書を送らせること、若い人に限ることなど、派遣労働者を特定することを目的とする行為を「行わないこと」
  • 派遣元の指針(第二の十三)。派遣元は、紹介予定派遣の場合を除き、派遣先のそうした行為に「協力してはならないこと」

止めているのは 2 つです。派遣先が選ぶことと、派遣元がそれに手を貸すこと。「職場見学」「顔合わせ」という言葉は、条文にも指針にも出てきません。指針に出てくる近い言葉は「事業所訪問」ですが、これは働く人が自分の判断で訪ねる場合を指す言葉です。派遣先が相手を選ぶ場として行われれば、指針の言う「面接」などの側に近くなります。 見学が実際にどういう場だったかで扱いが変わるので、当サイトはあなたの見学が決まりに触れるかどうかを判断していません。

2. 自分の判断で見に行くことはできる。求めることは止められている

2 つの指針は、同じ但し書きを置いています。派遣で働く人や働こうとする人が、自分の判断で、派遣が始まる前に事業所を訪ねることや履歴書を送ることは、派遣先が人を特定する行為には当たらず、できる。 そのうえで、派遣先も派遣元も、これらを働く人に「求めない」ようにする、としています。

厚生労働省の派遣で働く人向けのページは、自分で見に行く目的を「派遣先として適当であるかどうかを確認する等のため」と書いています。確かめるのは自分です。派遣元や派遣先が、見学や履歴書の送付を働く人に強要することは禁止、とも書いています。 同じページには、派遣元が仕事に要る技術や知識のテストをするのは問題ない、ともあります。力を確かめるテストは、派遣元がしてよいとされています。

3. 紹介予定派遣は例外。受け入れは 6 か月まで

紹介予定派遣は、派遣の始まる前か後に、派遣元が派遣先への職業紹介を行う、または行う予定でする派遣です(派遣法 2 条 4 号)。派遣先に直接雇われることを見込んだ形なので、派遣法 26 条 6 項も 2 つの指針も、この形を、人を特定する行為の決まりから外しています。ここが大きな違いです。 東京労働局の質問集も、紹介予定派遣では派遣先が人を特定する行為ができるとしています。そのかわり、年齢・性別・障害の有無などによる差別は、直接採用するときと同じく禁止です。

派遣先の指針(第二の十八)は、紹介予定派遣で同じ人を受け入れるのは 6 か月までとしています。年齢を理由に対象から外さないことや、男女で扱いを変えないことも求めています(どちらも例外はあります)。案内された仕事が紹介予定派遣かどうかで、見学の意味が変わります。分からなければ、営業担当に聞いてください。

4. 見学で確かめておくこと

派遣元は、派遣の前に、働く条件を示すことになっています(派遣法 34 条。就業条件明示書)。仕事の中身、働く場所、指示を出す人、期間、始業と終業の時刻、苦情の申出先など。 見学は、その中身を自分の目で見られる機会です。気になったことは、その場で聞いても、あとで営業担当に聞いてもかまいません。

仕事の中身は、聞いていた話と同じか

営業担当から聞いた仕事と、見学で説明された仕事が同じかを確かめます。使うソフト、電話の多さ、1 日の流れ。違っていたら、始まる前に営業担当に伝えておくと、あとで食い違いを言いやすくなります。

職場の様子は、自分に合いそうか

席の場所、周りの人の数、指示をくれる人は誰か。派遣法は、指示を出す人を、派遣の前に示す項目に入れています。見学で顔が分かると、初日の心配が 1 つ減ります。

通勤と、始業・終業の時刻は無理がないか

実際に通ってみる時間帯に行けると、混み具合や乗り換えが分かります。残業がどのくらいあるかも、聞きやすい場で聞いておく。

そこで働く期間は、どのくらいと聞いているか

最初の契約の期間と、その後の更新をどう考えている職場か。聞いておくと、次を考える時期の目安になります。

5. 聞かれたくないことを聞かれたら、伝え先は派遣元の営業担当

見学の場で私生活のことを聞かれて困った、という相談もあります。派遣先が見学で何を聞いてよいかを並べた決まりは、この記事で読んだ原文には見当たりませんでした。 派遣元の側には決まりがあります。派遣元の指針(第二の十一)は、本籍や出生地など差別の原因になるおそれのあること、思想・信条、労働組合への加入状況を、原則として集めないとしています。 派遣元が派遣先に渡せる個人情報も、派遣先に通知する決まりの事項と、仕事の力に関する情報に限るとしています(本人が同意した場合などを除く)。

答えにくい質問は、その場で無理に答えなくて大丈夫です。あとで、何をどう聞かれたかを営業担当に伝えてください。日付と質問をメモしておくと、話が通りやすくなります。 派遣が始まったあとなら、就業条件明示書に書かれた苦情の申出先にも伝えられます。苦情を申し出たことを理由に不利益に扱わないことも、派遣先の指針が求めるところです。

営業担当に言いにくい、言っても変わらない、というときは、都道府県労働局の総合労働相談コーナーがあります。全国の労働基準監督署内などに 378 か所。予約はいらず、無料です。募集や採用のことも相談の対象に入っています。

見学のあとで、次にすること

近い行を見てください。

見学のあとの状況次にすること
仕事も職場も、聞いていた話と同じだった就業条件明示書が届いたら、見学で聞いたことと照らし合わせる
仕事の中身や時間が、聞いていた話と違った始まる前に営業担当に伝える。受けるかどうかは、話を聞いてから決めていい
面接のように経歴や私生活を細かく聞かれた何をどう聞かれたかをメモして、営業担当に伝える
履歴書を出すように言われた誰がなぜ求めているのかを営業担当に聞く。紹介予定派遣かどうかも確かめる
「今回は見送り」と言われた理由を営業担当に聞く。次の節も読んでみてください

見学で断られたとき。社内選考 94 件の相談でも、いちばん一緒に出てくる

当サイトの集計で、社内選考・エントリーの相談は 94 件でした。この話題で、同じ相談の中にいちばん多く出てくるのが職場見学です。 エントリーして、社内選考を通って、見学に行く。その流れのどこかで止まって、理由が分からないまま次を待つ人がいます。

断られた理由は、自分の力のせいとは限りません。ほかの人との兼ね合い、派遣先の事情、条件の行き違い。理由は外から見えません。営業担当に聞いてみてください。それでも見送りが続くなら、別の派遣会社にも登録して、仕事の紹介の来かたを比べる人もいます。社内選考の話はエントリーと社内選考の話題、営業担当とのことは派遣元の営業担当とのことの話題、会社の選び方は派遣会社の選び方と登録の話題にまとめました。

派遣で次を探す道だけではありません。今の職場で更新して続ける人もいます。働き方を変える人もいます。 当サイトの集計で、紹介予定派遣・直接雇用の相談は 48 件、正社員か派遣かの相談は 79 件でした。紹介予定派遣では、派遣先が面接などで人を選ぶことが認められています(3 の節)。 話は紹介予定派遣と直接雇用の話題と正社員か、派遣かの話題にあります。

よくある質問

職場見学で履歴書を持ってくるように言われました。持っていくものですか
厚生労働省の「派遣先が講ずべき措置に関する指針」は、紹介予定派遣の場合を除き、派遣先が派遣の前に履歴書を送付させることを、派遣労働者を特定することを目的とする行為の例に挙げ、行わないこととしています。派遣元の指針も、派遣元が派遣で働く人に履歴書の送付を求めないよう留意するとしています。自分の判断で渡すことは指針の上ではできますが、求められて迷うなら、まず派遣元の営業担当に、誰がなぜ求めているのかを聞いてみてください。
職場見学のあとで「今回は見送り」と言われました。これは違法ですか
当サイトは、あなたの件が法律に触れるかどうかを判断していません。見学がどういう形で行われ、何を理由に見送られたかで扱いが変わるからです。理由を知りたいときは、派遣元の営業担当に聞けます。納得できないときは、都道府県労働局の総合労働相談コーナー(予約不要・無料)に相談できます。
紹介予定派遣でも、面接などで選ばれることは止められているのですか
止められていません。紹介予定派遣は、派遣元が派遣先への職業紹介を行う、または行う予定でする派遣で、派遣法 26 条 6 項も 2 つの指針も、人を特定する行為の決まりから外しています。東京労働局の質問集も、この形では派遣先が面接などで人を特定する行為ができるとしています。そのかわり、年齢・性別・障害の有無などによる差別は禁止で、派遣先の指針も、年齢を理由に対象から外さないことや男女で扱いを変えないことを求めています(例外はあります)。
見学の場で、家族のことや結婚の予定を聞かれました。答えないといけませんか
派遣先が見学の場で何を聞いてよいかを並べた決まりは、この記事で読んだ原文には見当たりませんでした。派遣元については、指針が、本籍や出生地、思想・信条などを原則として集めないことと、派遣先に渡せる個人情報を仕事の力に関する情報などに限ることを定めています。答えにくい質問があったら、その場で無理に答えず、あとで派遣元の営業担当に伝えてください。
この件数と順位はどこまで確かですか
件数は補正後の値です。話題ごとに無作為で最大 30 件を抜き、「投稿した人が自分のこととして、その話題を書いた相談か」を 1 件ずつ判定して、その割合で直しました。職場見学(顔合わせ)の話題で当たっていた割合は約 75% です。判定は AI で 2 系統に分けて突き合わせ、一致した件だけを使いました。人の目では確かめていません。一緒に出てくる話題の順位は補正前の件数から出しているので、入れ替わりうるものとして読んでください。

出典・確認日

  • e-Gov 法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(原文の要点(2026-09-28 確認)。26 条 6 項: 労働者派遣(紹介予定派遣を除く)の役務の提供を受けようとする者は、契約の締結に際し、派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。2 条 4 号: 紹介予定派遣の定義。34 条: 派遣元は派遣の前に就業条件等を明示する(26 条 1 項各号の事項。業務の内容・就業の場所・指揮命令者・期間・時刻・苦情の処理など))
  • 厚生労働省「派遣先が講ずべき措置に関する指針」(平成 11 年労働省告示第 138 号)(原文の要点(2026-09-28 確認)。第二の三: 派遣先は、紹介予定派遣の場合を除き、派遣に先立って面接すること、履歴書を送付させること、若年者に限ること等、派遣労働者を特定することを目的とする行為を行わないこと。派遣労働者等が自らの判断の下に行う派遣就業開始前の事業所訪問・履歴書の送付は、これに当たらず実施可能。ただし派遣先はこれらを求めないこと。第二の七: 苦情の申出を理由とする不利益な取扱いの禁止。第二の十八: 紹介予定派遣は 6 か月を超えて同一の派遣労働者を受け入れない。特定等に当たり年齢を理由に排除しない(②の場合を除く)、男女で扱いを変えない(第二の十八(四)、例外あり)等。「事業所訪問」は働く人が自らの判断の下に行う場合の言葉)
  • 厚生労働省「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」(平成 11 年労働省告示第 137 号)(原文の要点(2026-09-28 確認)。第二の十三(一): 派遣元は、紹介予定派遣の場合を除き、派遣先による特定を目的とする行為に協力してはならない。派遣労働者等に事業所訪問・履歴書の送付を求めないこと。第二の十一(一): 本籍・出生地など社会的差別の原因となるおそれのある事項、思想・信条、労働組合への加入状況を原則として収集しない。派遣先に提供できる個人情報は、35 条 1 項の通知事項と業務遂行能力に関する情報に限る(本人の同意・他の法律の定めがある場合を除く))
  • 厚生労働省「派遣で働く皆さまへ 5 具体的な派遣先が決まりそうです。」(原文の要点(2026-09-28 確認)。派遣労働者等が、派遣先として適当であるかどうかを確認する等のため自らの判断の下に行う事業所訪問や履歴書の送付はできる。派遣元・派遣先がこれを強要することは禁止。派遣元が行う技術や知識のレベルテストは問題ない。ページ内の条・項の番号は改正前のもの(現行は 26 条 6 項、派遣元指針第二の十三))
  • 東京労働局「よく聞かれるご質問集(派遣社員として働いている方へ)」(原文の要点(2026-09-28 確認)。Q4: 派遣先が派遣の前に面接すること、履歴書を送付させること、若年者に限ること等は禁止。紹介予定派遣は特定を目的とする行為が可能だが、年齢・性別・障害の有無等による差別は禁止。Q6: 就業条件明示書に書かれた苦情の申出先(派遣元または派遣先)にまず相談)
  • 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」(原文の要点(2026-09-28 確認)。募集・採用やいじめ・嫌がらせを含むあらゆる分野の労働問題が対象。予約不要・無料。各都道府県労働局と全国の労働基準監督署内など 378 か所。法律違反の疑いがあれば行政指導の権限を持つ部署に取り次ぐ)
  • このサイトの数え方(集計方法と限界)(当サイトの集計。母集団の定義、補正の方法、この方法で分かっていないこと)